EBPM(Evidence-Based Policy Making)とは、科学的な根拠やデータを基に政策立案を行う手法を指します。
主観的な判断や感情的な判断を取り除き、客観的なデータや実証的な証拠に基づいて、政策の効果を最大化することを目的に、政策の信頼性や効果を高め、持続可能な解決策を提供するための政策立案のアプローチがEBPMです。
実際にEBPMはどのような効果をもたらしてきたのでしょうか?
特に大きな成果を収めた海外における成功事例を2つ紹介をします。
1つ目は、イギリスにおける教育改善のための政策です。イギリスでは、学校での教育改革を進めるために教育方法に関する実証データを収集・評価しました。その結果、低所得層の学生に対する小規模グループ学習が効果的であることが判明し、この手法が国内で広く導入されました。この政策によって学生の学力向上の効果が確認され、社会格差の解消に寄与しています。
2つ目は、アメリカのニューヨーク市における犯罪予防プログラムです。データの分析結果を基に、犯罪の発生リスクが高い地域を特定し、警察官を重点的に配置する施策を採用しました。その結果、犯罪率が著しく減少し、市民の生活の安全性が向上しました。
一方で、不完全なエビデンスの元に不本意な結果となった事例も存在します。EBPMの実行には正確なデータの収集と分析が不可欠であり、それを怠ると誤った方向に進む危険性もあります。